第27回 コスタリカのハニープロセスについて

コスタリカのハニープロセスについて

  

コスタリカやエルサルバドルなど中米諸国では、精製(特にウォッシュト)で発生する廃液が環境問題化しており「パルプドナチュラル」を取り入れる農園が増えています。
そして、コスタリカではこのパルプドナチュラルによる精製を「ハニープロセス」と呼んでいます。
コスタリカは他国のパルプドナチュラルと比較して、水の使用量が少ないことが特徴です。
パルパーで外皮と果肉の大部分を除去する際、ある程度の果肉を意図的に残しているのです。
これにより、果肉の成分が豆の中に凝縮され、蜂蜜のような甘さと深いコクをもたらすということです。
収穫・果肉を除去した後に、通常では水洗いして乾燥させるのに対し
ハニープロセスでは種の周りにミューシレージというベタベタした部分を残したまま乾燥させていきます。
糖分がとても多く残っており、豆に甘味が浸透していくのですね。
コーヒーエキスの特徴として、甘く 口当たりもとろみのある酸質になります。
ベタつき(ミューシレージ)を何パーセントつけて乾燥させたによって
ハニー製法の呼称が変わってきます。

10%  ホワイトハニープロセス

20%~40% イエローハニープロセス

50%~70% レッドハニープロセス

80%~90% ブラックハニープロセス

因みに、ハニープロセスは甘味と深いコクを手に入れた代償として、デメリットも手に入れました。
豆に残される果肉が多いため、乾燥時に発酵豆や欠点豆(香味に悪影響を及ぼす豆)が混入する可能性が高いのです。

 

今回試飲したコーヒーは、

コスタリカ ガンボア農園 ブラックハニー

コスタリカ ガンボア農園のカトゥーラのみを使用して、ミュシレージを取らずに乾燥させたパルプドナチュラル(=ブラックハニー)で仕上げています。
赤ワインのような香り、フルーツのような香り(ぶどう、ぶどうの皮、柑橘)。カラメルのような甘味ときれいな酸味が特徴です。
マイクロロットです。

味覚について

浅煎りの味覚
赤ワインのような香り、フルーツのような香り(ぶどう、ぶどうの皮、柑橘)。甘酸っぱい酸味と、カラメルのような甘味があります。スッキリしています。

中煎りの味覚
赤ワインのような香り、フルーツのような香り(ぶどう、ぶどうの皮、柑橘)。カラメルのような甘味があります。浅煎りより酸味が少し抑えられます。香り、酸味、甘味、ボディー感のバランスがいいです。スッキリしています。

中深煎りの味覚
赤ワインのような香りです。少し苦味がでてきますが、酸味も楽しめます。ボディー感もまし、香り、酸味、甘味、ボディー、苦味のバランスがいいです。

深煎りの味覚
まず苦味がきますが、アフターフレーバーでは赤ワインのような香り、カラメルのような甘味がありますが、すっきりしています。

生産地情報

農園名  :Gamboa(ガンボア農園)農園主  :Martin Gutierrez(マルティン グティエレス)氏
場所   :タラス地区(Santa Maria de Dota( Dota Tarazu))
標高   :1850m
気温   :平均19℃
開花期  :3-4月
栽培面積 :14ha年間生産量: 約500袋

詳細

水分値 9.1
生豆外観 薄緑色で均一
農薬検査 社外委託検査にて、基準値以下。
商品規格 SHB EP (SCAA5欠点/350g)
精選方法 パルプドナチュラル(ハニー100%付けたまま)
収穫時期 12-2月
クロップ 2015/16
品種 カトゥーラ