第40回 ブラジル イルマス・ペレイラ スイートシャワー PN

ブラジル イルマス・ペレイラ スイートシャワー PN

         ブラジル

標高       1075-1229m

エリア     カルモ・デ・ミナス

品種       イエローブルボン

農園名      イルマス・ペレイラ農園

生産処理    スイートシャワー・パルプドナチュラル

カッピングプロファイル

ハニー、キャラメル、チェリー、マリック、ウォルナッツ、スムースマウスフィール

カルモデミナスから世界へ。ブラジルコーヒーに変革を。

カルモデミナス発のNew Project

今やブラジル・スペシャルティコーヒーを代表する生産エリアになったカルモ・デ・ミナス。コーヒーベルトギリギリの南緯22度に位置し、ブラジルの中では標高が高いエリアで、土壌も豊かで、独特のテロアールをもっていることが世界的に高く評価されています。

このエリアからカップ・オブ・エクセレンスの優勝農園は10個も出ており、受賞ロットの半分以上がカルモから、ということも珍しくありません。

『NEW FLAVORS』

このエリアの生産者兼輸出業者、カルモ・コーヒーズのルイス・パウロ氏が、今回、肝いりでスタートさせたプロジェクトが『New Flavors』です。  彼は中南米・アフリカと世界各国のコーヒー生産現場を見学して、その知見を全てつぎ込み、ブラジルコーヒーに全く新しい風味を作り出すことに成功しています。  彼の目標は、このイルマス・ペレイラ農園をブラジル最高のコーヒー農園に、また世界の10指のコーヒー農園として、世界中のコーヒー愛飲家たちに知ってもらうことです。

『スウィートシャワー』という名の新しい発想

スウィートシャワーと名付けられた製法の特徴は、収穫したチェリーをカルモ・デ・ミナスの冷たい湧水(7-8℃)のシャワーに14-15時間かけ続けることです。

こうすることで、チェリーが低温に保たれ、酵素反応による発酵を防いでいます。

こうする事で、発酵工程によって反応する糖の消失を防ぎ、チェリーの糖度を維持することができます。 その後、パルプドナチュラルもしくはナチュラルとして、アフリカンベッドでの乾燥工程に移行していきます。 収穫したチェリーそのものの糖度を維持する為に、ドライファーメンテーションなどと異なる軽やかでフルーティな甘みの溢れるブラジルコーヒーを生み出しています。

2017年コメント 

エイジングによる印象

通常のカッピング用のロースティングステップと高温投入の2バッチを焙煎しました。と言いますのも、昨年ルイス・パウロ氏が来日された際は、後者のロースティングが適しているとの事でした。 何れのロースティングも、エイジング48時間程度では、アーモンドのようなナッティなフレーバーが主張しており、ややクリーンカップを阻害している印象もありました。

彼のアフリカンプロセスやダブルパスもそうなのですが、エイジングをゆっくりかける事で、甘さや酸の質が綺麗に表れる印象で、今回もそうした印象があり5日ほどのエイジングで落ち着いたと感じました。

焙煎ステップでの印象

高温投入では、ピーチやオレンジなどのフレーバー、ハニーのような甘さを感じ、マウスフィールも滑らかで良好です。カッピング評価でいうとこちらの方が高くなる印象です。 一方でカッピング用のローストステップでは、カッピングプロファイルのようなチェリーやナッツ、ややスパイシーさの伴う複雑さを感じます。 フレーバー自体がそれほど強くないのですが、スイートシャワーの名の通り、双方甘さの強度を感じますので、最終的な焙煎度やお好みに合わせて、調整頂くと、ポイントが定まるように感じます。 是非、伝え方や抽出方法に併せて、いくつかロースティングを試していただけたらと思います。