第32回 ニカラグア リモンシージョ パカマラ ナチュラル

ニカラグア リモンシージョ パカマラ ナチュラル

今やプライベートオークションが行われるほど世界中でその品質が認められているエルウィン・ミエリッヒ氏の農園。

現在は、ホンジュラスにも農園を構え、国内には8つの農園を所有しています。
また、マダガルパにドン・エステバン・ドライミルを所有、COEのヘッドジャッジの経験も持つエルウィン氏。
名実ともにニカラグアを代表するスペシャルティコーヒーを生み出している人物です。 リモンシージョ農園は、熱帯雨林を髣髴とさせる山奥の山林に位置しています。
美しく管理された木々や竹林、コーヒーの佇まいは、あたかも庭園のような趣き。
シンボルともいえる滝からもたらされる豊富な水資源と湿度がこの農園の特徴的なテロワールである。 収穫されたコーヒーチェリーは、農園併設もしくは付近のウェットミルにてウェットパーチメントにし、ドライミルで乾燥を行うのが一般的な流れです。

ニカラグアでは、農園・農家のほとんどがウェットパーチメントまでを作り、中間業者などのドライミルで乾燥工程を行うところ、エルウィン氏は、農園の南、標高670mに位置するマダガルパにドンエステバン・ドライミルを構えています。
これは、生産処理を行う上でアドバンテージともなります。 ドンエステバン・ミルは、ニカラグアで初めてのフルトレーサビリティのドライミルで、受け入れたウェットパーチメントは、厳密なロット管理がされています。
地面はパティオではなく、日本の黒い寒冷紗のようなシートが張られ、空気と水分が通過するようにされています。
2013 年には、ビニールハウス3段アフリカンベッドを建設し、ここでスペシャルティコーヒーの乾燥を行っています。

その工程は、まず2日ほど、黒いシートの上で乾燥させ、その後3段アフリカンベッドの上段で数日、その後中段(少し日陰)で数日乾燥させるという方法が採られています。
ナチュラルについても、乾燥時のチェリーの積み方を変化させて、同じナチュラルプロセスの中でもの風味特性を変化させたりと独自のプロセスを生み出しています。 エルウィン氏の所有する農園の特徴として1つ、バラエティの豊富さが伺えます。

ジャバニカを代表とし、パカマラ、イエローパカマラ、エチオピア系ゲイシャ、中米系ゲイシャやビジャサルチ、マラゴジッペなど試験的な品種を含め様々な品種が栽培され、ハイブリット品種などにも取り組むバイオロジーな一面を持っています。
ドンエステバンで細かくロット形成が行える強みもあり、こうした様々な品種とニカラグアで初めてのナチュラルプロセスを行った農園として培った技術が、リモンシリョウやサンホセ農園に代表されるエルウィン・ミエリッヒ氏の農園の特色です。
また、COEのヘッドジャッジの経験によるナチュラルプロセスに代表されるトレンドに対する味作りが行われている事も同農園の特色の1つだと思います。

【2016年カッピングコメント】

例年通り、非常に素晴らしい風味特性に仕上がっています。
特にナチュラルプロセスによる熟度の高いフレーバーの質感は、ミエリッヒらしい力強い印象があり、農園のアイデンティティを感じます。

【2015年カッピングコメント】

レッドワイン、トロピカルフルーツ、レモンピール、ブライト、スムースマウスフィール ナチュラルはスパイシーさのあるフルボディのワインのようなフレーバーがあります。
そして、パカマラ特有のトロピカルフルーツのようなフレーバーと調和して、特別なカップになっています。こうした品種やプロセスごとにハッキリと特性が表れているのも、トップ農園としてのレベルの高さを感じさせてくれます。

  • 商品 : ニカラグア リモンシージョ パカマラ ナチュラル
  • 国 : ニカラグア
  • エリア : マタガルパ
  • 農園名 : リモンシシージョ農園
  • 生産者 : ミエリッヒ・ファミリー
  • 標高 : 850-1150m
  • 品種 : パカマラ
  • 生産処理 : ナチュラル
  • カッピングプロファイル : フローラル、ブラックカラント、ストロベリー、オレンジ、ラウンド、ロングアフターテイスト