第5回 ニカラグアのコーヒー

ニカラグアの一般的なコーヒー豆の格付けは、収穫される標高の高さで格付けされており、

SHG: 標高1500~2000mの地域

HG: 標高1300~1500mの地域

MG:  1000m~1300mの地域

LG: 500~1500mの地域

以上の順で格付けされています。

主要生産地

南部はマナグア地区で標高500~800mで太平洋岸にあり、カラザオ地区は太平洋岸のスロープを利用した栽培地です。

北部はマタガイパ地区で標高650~1000mの標高地、イノテガ地区は標高650~1650mの標高地です。

この国は他の中米諸国違って小規模農園が少なく100ha以上の農園が全体の40%です。

 

今回試飲したコーヒーは

ニカラグア リモンシリョ農園

         パカマラ ナチュラル

今やプライベートオークションが行われるほど世界中でその品質が認められているエルウィン・ミエリッヒ氏の農園。現在は、ホンジュラスにも農園を構え、国内には8つの農園を所有しています。また、マダガルパにドン・エステバン・ドライミルを所有、COEのヘッドジャッジの経験も持つエルウィン氏。名実ともにニカラグアを代表するスペシャルティコーヒーを生み出している人物です。リモンシリョウは、熱帯雨林を髣髴とさせる山奥の山林に位置しています。美しく管理された木々や竹林、コーヒーの佇まいは、あたかも庭園のような趣き。シンボルともいえる滝からもたらされる豊富な水資源と湿度がこの農園の特徴的なテロワールである。収穫されたコーヒーチェリーは、農園併設もしくは付近のウェットミルにてウェットパーチメントにし、ドライミルで乾燥を行うのが一般的な流れです。ニカラグアでは、農園・農家のほとんどがウェットパーチメントまでを作り、中間業者などのドライミルで乾燥工程を行うところ、エルウィン氏は、農園の南、標高670mに位置するマダガルパにドンエステバン・ドライミルを構えています。これは、生産処理を行う上でアドバンテージともなります。ナチュラルについても、乾燥時のチェリーの積み方を変化させて、同じナチュラルプロセスの中でもの風味特性を変化させたりと独自のプロセスを生み出しています。

エルウィン氏の所有する農園の特徴として1つ、バラエティの豊富さが伺えます。ジャバニカを代表とし、パカマラ、イエローパカマラ、エチオピア系ゲイシャ、中米系ゲイシャやビジャサルチ、マラゴジッペなど試験的な品種を含め様々な品種が栽培され、ハイブリット品種などにも取り組むバイオロジーな一面を持っています。ドンエステバンで細かくロット形成が行える強みもあり、こうした様々な品種とニカラグアで初めてのナチュラルプロセスを行った農園として培った技術が、リモンシリョウやサンホセ農園に代表されるエルウィン・ミエリッヒ氏の農園の特色です。また、COEのヘッドジャッジの経験によるナチュラルプロセスに代表されるトレンドに対する味作りが行われている事も同農園の特色の1つだと思います。

ナチュラルはスパイシーさのあるフルボディのワインのようなフレーバーがあります。そして、パカマラ特有のトロピカルフルーツのようなフレーバーと調和して、特別なカップになっています。

こうした品種やプロセスごとにハッキリと特性が表れているのも、トップ農園としてのレベルの高さを感じさせてくれます。

カッピングプロファイル 

レッドワイン、トロピカルフルーツ、レモンピール、ブライト、スムースマウスフィール

エリア : マタガルパ

農園名 : リモンシリョウ農園

生産者 : エルイン・ミエリッヒ

標高 : 850-1150m

品種 : パカマラ

生産処理 : ナチュラル

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