第14回 イエメン モカ アールマッカ

イエメン内陸山岳地方(標高1000m~3000m)の段々畑で、モカコーヒーは生産されています。

この中でも特に有名な産地が、アラビア語で「雨の子孫達」を意味するバニー・マタル地方です。この地方はその名の通り雨が多く、またしばしば霧がかかることでも有名です。雨量が豊富なこの地域は珈琲豆の栽培地として昔からイエメンの代表的な産地で、上質な酸味はまるで赤ワインのようでピーチやカシス香が交錯する素晴らしい香味です。

バニー・マタル地方のコーヒーは原生種に近いので、生み出される豆は素朴でありながら気品のある味わいを醸し出すことで知られています。

イエメンのバニー・マタル地区で産出される最高級銘柄のモカ・マタリ、そのモカ・マタリを、さらに現地で豆の大きさの大きいものだけを手作業で選別した極上品をアールマッカと呼びます。

イエメンのコーヒーと言えば、日本でもおなじみの「モカマタリ」。しかしこの「モカマタリ」は生産農家から輸出までのルートが整備されておらず、そのほとんどが選別の粗い品質のもの(品質のあまりよくないもの)になってしまいます。

しかし、このアールマッカはイエメンで最新式のイタリア製選別機を所有する輸出業者が、原料の買い付け後、標高2700メーターの清涼な気候の丘陵地帯で保管と選別を丁寧に行っています。原料の買い付けから輸出までの一貫管理と適切な保管と選別により、アールマッカの候品質が保たれています。

ニュークロップで生産履歴が明確な大変貴重な豆です。通常のイエメンに必ずある発酵臭(すっぱい酸味)はなくクリアな飲み心地です。

モカ特有の柑橘系な酸味と香りのモカフレーバーが楽しめます。

生産国 イエメン
地域・地区 サナア西部 ハラズ・ハイマ・バニマタル地方
原料供給元 各エリアにある集売、脱穀業者、大手農家等
標高 1,500m~
収穫量 グレードAで約60t
樹種 地場品種
精製方法 やや水分を残した状態のチェリーを脱穀精選
乾燥方法 天日乾燥
収穫時期 10月~1月
スクリーン グレードA スクリーン15

10月から2月にかけての収穫期に、3~4回程度、完熟チェリーのみを手摘みで収穫しています。そののち、各家庭の屋根で1週間ほど天日乾燥。そのチェリーはエリアごとの集売・脱穀業者に買い取られ、それを輸出業者が買い取ります。アールマッカを供給している輸出業者は買い取ったチェリーを最新の選別機でしっかり精選。最高の状態で日本の愛飲家の皆様に届けられるよう管理しています。