第42回 コロンビア エルポルベニール タビ

コロンビア エルポルベニール タビ

エル・ポルベニール農園は、今年で10年目を迎えた新しい農園です。

オーナーであるファン・カルロス氏は、コーヒー農園を営む両親の下で小さな頃からコーヒーの栽培や肥料について学んできました。

いつかは自分の農園を1から作り上げたいと、20歳で独立し、このエル・ポルベニール農園を立ち上げました。

この農園にしか生み出せない複雑な風味を

この10年は試行錯誤の繰り返しで、自分と同じようにコーヒーの生産に従事する若い生産者たちと、常に情報交換をしながら、高品質なコーヒーの生産を目指してきました。

エル・ポルベニール農園が作りだすコーヒーは、この農園にしか生み出せない複雑な風味を目標にしています。 ファン・カルロス氏のコーヒー生産に対する情熱は止むことなく、エル・ポルベニールの為だけのプロセスを模索し続けています。

コロンビアのハイブリッド種の開発

コロンビアでのハイブリッド種の研究が始められたのは1961年に遡ります。

コーヒー研究所(CENICAFE)は、チモール・ハイブリッドの研究・実験を行い、Caturra種と交配を行ったCatimorが1970年代に誕生しました。

その後、耐病性だけでなく良好な風味特性、生産性をもたらすべく、Catimor血統で5世代に渡る戻し交配が行われ、1982年Colombia種が発表されました。

以降も、積極的に優良株のセレクションが行われ、風味特性を損なわないとされるF6品種やTABIが誕生します。 TABIは、2002年チモール・ハイブリッドにTypica、Bourbonの交配を重ね誕生した品種です。TABIは、ネイティブコロンビア部族の方言で『良質』という意味を持ち、サビ病への耐性を重要視しながら、良質なカップ特性を目指し開発されました。

枝が長く、背丈も高く成長しやすい形態上の特徴は、ブルボンやティピカの影響を色濃く残し、一方で収穫されるコーヒーは比較すると若干大粒な傾向があります。

高地での栽培に適し、コロンビアの山岳地域ではColombia種やCatimor種と共に、農園の土壌環境に合わせ選択されています。

2017年カッピングコメント

透明感のあるテイストでアップルやライム、少しスパイシーなフレーバーを感じました。ハイブリッドの印象を全く受けないかと言えば、そんなことは無いのですが、ハイブリッド品種の持つ風味をややビターな、そして複雑なフレーバーとしてポジティブに捉えて頂けると思います。

カップの透明感がベースとなり、ポジティブな印象を作ってくれているようにも感じます。

カッピングプロファイル

グレープフルーツ、レッドアップル、ライム、ミルクチョコレート、ラウンド

     コロンビア

標高    1700m

エリア   ウイラ県ピタリート、ブリュッセル、エル・セドロ

品種    タビ

農園名   エル・ポルベニール農園

生産処理  ウォッシュド

ランク   スペシャルティーコーヒー